ウミガメ調査事業

内容

与論島には毎年たくさんのウミガメが上陸し、海岸へ卵を産みにきます。シュノーケルやダイビングなどのマリンレジャーをすると、多くの人が目にするかもしれません。

一方、漁業従事者からは、ウミガメが藻場を荒らしているという話を聞きます。

モズク養殖場を行っている海域において、ウミガメをビデオ観察することで、実際の食性を調査してきました。

取り組み時期

2017年~2019年 

助成/委託元

本事業は環境省奄美自然保護官事務所の要請を受け、2017年度~2019年度の3年間、同省のマリンワーカー事業として取り組みました。

成果

与論島ではモズクの養殖を、与論島東海域で実施しています。本事業では、ウミガメがリーフの内側で何頭観察出来るか、調査を行いました。また、モズクの養殖場に定点カメラを設置し、モズクが何の海洋生物によって食害されているか調査しました。

ウミガメは1回2時間の観察で、多くて10頭程観察されましたが、モズクを食べている事例は観察できず、小型の魚が植え付けたばかりのモズクを食べている様子が観察出来ました。

今後に向けて

与論島は日本全国の中でもアオウミガメの上陸頭数が常に上位の島です。

観光資源として大切にされているアオウミガメですが、一方でウミガメが好んで食べる海草を中心とする藻場が少なくなっていることも事実です。

ウミガメが悪者というわけではなく、全ての海洋生態系の循環を考え、どのように保全していくかを引き続き検討していきます。